■スズメのヒナを保護

このたび、弱っていたスズメのヒナを拾いました。
残念なことに、結果として10日間で死んでしまいました。

しかし、同じようにヒナを拾った方へ、少しでも参考になればと思い記事を掲載させていただきます。

― 【 注 意 】 

もし、スズメなど野鳥のヒナを見つけた場合、巣から落ちてしまったと思って保護しないでください。
親鳥が、巣立ちの練習をさせている場合があります。
とりあえず様子を見て、車道などでそのままにしておくのが危険な場合は、近くの枝や塀などに、そっととまらせてあげて、親鳥が近寄れるようにその場を離れましょう。

 

なお、野鳥を飼うことは違法です。

お住まいの地区の区役所および市役所小鳥を診れる獣医などに相談してみましょう。

また、下記のような情報を集めた便利なサイトもあります。

 

▼すずめっ子クラブ Wiki

http://sparrow-club.ddo.jp/annex/wiki/index.php?%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

 

スズメのイラスト
スズメのイラスト

 

【2011年7月5日】
夕方、16:00頃。自宅の玄関先に茶色の物が落ちているのに気づく。
自宅の玄関先には、しょっちゅう近所の犬が入ってきてフンをするので、またか…と思った。
 
玄関へ近づくと、電線にいるスズメ達が威嚇しているようにジジジ…と鳴く。
良く見ると、玄関先に落ちていたのは、スズメのヒナだった。
 
ジジジ…と鳴いているのは、きっと親や仲間なんだろう。
下手にヒナに触れると、人間の匂いが付いて元の集団に戻れない恐れもある。

なので、そのままにしておき様子をみる。
 
10分ぐらい経ち、親元の所へ戻っていれば良いが…と願いつつ、そっと玄関のドアを開ける。すると、ヒナはまだ同じ場所にいた。

 

※イラストは「無料素材部屋」よりお借りいたしました。 

 

 

 

ネコのイラスト
ネコのイラスト

このままでは、ネコやカラスにやられてしまう
自然界に生きる動物たちは、強い物しか生き残れない世界と思いつつも、無視できなくスズメのヒナを手に取った。
 
素人判断だが、足や羽には異常はなさそうだ。

ただ、足の指、脚力が弱い。

この力だと止まり木にはつかめないだろう。
 

クチバシを見ると、端は黄色いもののヒナ特有の黒い色は抜けかけている状態だった。
しかし、羽全体はまだ黒く、きれいに生え揃っていない。

特にお腹の毛は少なく、ピンク色の皮膚がちらちら見える。
この子はまだちょっと、巣立ちの練習をするのには時期が早い印象を受けた。
手に持った感じ、体温もやや低いような気がした。
 
本当はいけない事だが、数日間保護して様子を見て放そうと決めた。

 

※イラストは無料イラストサイト「イラストわんパグ」さんよりお借りいたしました。

 

 

玄関前にいたスズメのヒナ
玄関前にいたスズメのヒナ

自分は小学校5年生の時から、現在に至るまでセキセイインコ文鳥を飼っている。
文鳥のヒナは何匹か成鳥になる前に死んでしまった経験はあるが、何とか出来るだろうと思った。

 

ヒナがむやみに暴れて体力を消費しないようにマスカゴを用意し、中に新聞紙を敷き、その上に保温を兼ねてパインチップ材を敷き詰めた。
 
東京は梅雨も明け、連日猛暑が続いている。
衰弱させないためにも、クスリの錠剤瓶のキャップに、カルビタバードを数滴入れ、ヒナのクチバシにつけると少ないながらも飲んでくれた。
 

 

時刻は、もう18:00を回った。
きっと今日は、親と一緒にこの子は巣に帰れないだろうと勝手に判断した。
 
衰弱させないためにも、熱帯魚用の小さいミルワーム、釣りエサ用のサシを見せても口を開いてくれない。
 
あわ玉をお湯でふやかし、オリジナルフォーミュラーヒナフトールカルビタバードを入れ、文鳥のヒナに使っていた差し餌器具で与えてみようと試みるが、やはり口を開いてくれない。
 
ヒナの首の付け根付近にあるそのうを見ると、エサは入っていない様な感じだった。
仕方ないのでちょっと強引だが、クチバシや舌を傷つけないように注意しながら、ヒナのクチバシに人差し指の爪で開け、差し餌器具を入れてアワ玉を入れた。
モグモグと喉を動かしたので、計3回ほど差し餌をする。
 
ちなみに、記事が前後するが、野鳥にはトリサシダニ・ワクモなどのダニや菌が付着している場合がある。
我が家の文鳥、セキセイインコに感染させないためにも、スズメの給餌は玄関先で行い、触ったあとはせっけんでしっかり手洗いをしている。

 

いつも通っている獣医に電話で相談すると、野生動物は他の患者さんへの細菌感染などの理由により診ることは出来ないと、やはりその理由で断られた。
 
家の中ではエアコンなどで冷えてしまうこと。また、親鳥が再び現れるようにする為、そして、ヒナが人慣れしてしまわないように、給餌以外は玄関横の日陰で風通しの良い所に置いておいた。

 

 

【2011年7月6日】
スズメを保護して1日目。小鳥は早起きだ。
だから、6:00に起き、玄関横に置いたスズメのヒナを見に行く。
 
親鳥が連れて行ってくれてれば…と思いつつ見に行くと、ヒナはまだマスカゴの中にいた。
自分が現れた途端、チュンチュンとスズメが飛んでいったのが見えた。

きっと、親スズメが心配でやって来ていたのだろう。

 
幸いなことに、ヒナは生きていた
早速、昨日と同様にアワ玉をお湯でふやかし、カルビタバードとフォーミュラー、ヒナフトールを加えた餌を与えた。
口は開けてくれないので人差し指でクチバシを開けつつ、計4回、差し餌を食べてくれた。
そして、再びマスカゴを外の玄関横へ置いておく。
 
自分以外の家族は、ヒナに餌を与えられない。
幸いなことに、この先、2週間程はナレーションの録音以外、自宅で出来る仕事だったので、ヒナの様子をみることが出来た。
 
2時間半~3時間のサイクルで、朝6:00~19:30まで差し餌をした。
 
 

差餌をしたあとのスズメのヒナ
差餌をしたあとのスズメのヒナ

【2011年7月7日~12日】
上記と同様に、2時間半~3時間のサイクルで、朝6:00~19:30まで差し餌を与え続ける。
 
いま思えばたった2~3回だけだが、自ら口を開いてくれたときは嬉しかった。
足の指の力はまだ弱いものの、餌を与えるときにヒナを手で掴むが、脚力が出てきたように感じた。
 
治ったら放鳥をするつもりなので、人間に慣れてしまわないよう給餌以外は常に外に置いておく。
 

 

【7月13日】
いつものサイクルで差し餌を行う。
まだまだ弱いものの、足の指の力も出てきた。
そして、30cmにも満たないがパタパタ羽を羽ばたきながら飛んだ。
 
このまま順調にいけば、あと2~3日で自らマスカゴから飛び立っていくだろうと思っていた。
 
しかし夕方。
給餌の際、かわいそうなことに何となく元気が無いことに気づく
何となく、お腹に腹水が溜まっているように膨れていて、目をつぶったりする。
いままで、羽ばたいたりして順調に力をつけていっている様だったのに。
 
一応、本日最後の差し餌は2回ほど食べた。
明日、元気に戻ってくれることを願いつつ、マスカゴにヒナを入れ外に出す。
 
 

元気たせった頃のスズメのヒナ
元気たせった頃のスズメのヒナ

【7月14日】
朝6:00。

スズメのヒナが我が家に来てから、いつも通りの給餌の時間。
 
ただ、なんとなく昨夜の最後に給餌の際に元気が無かったため、玄関先にあるヒナが入ったマスカゴを見るのが怖かった
 
しかし、残念ながら悪い予感は的中してしまった。
 
ヒナは、まるでまだ生きているかのように足をしっかり床につけたまま、隅に丸くなって死んでいた。
 
おい、どうした?」と声をかけたが、もちろん、何の反応もない。
小さなヒナの体はまだ温かかく、首もフラフラと動くため、きっと死後直後だったのだろう。
 
この小さなヒナの命を救えなかったこと
人間の手に取られてしまったが、このヒナなりにとても頑張った姿
そして、元気になって放鳥したら、また遊びに来てくれるかな? と心待ちにしていただけに、とても悔しく悲しい気持ちになった。
 
一度、元気になったにも関わらず、いったい何が悪かったのだろうか。
この10日間のことを振り返るが、検討がつかない。
 
悔しい気持ちの自分に対して、唯一の救いは、このヒナが目を閉じていたこと。
飼っているセキセイインコや文鳥の最期を何度も見てきたが、目が開いたままの最期の姿ほど悲しい物はない。
 
目を閉じている姿は、自分勝手な解釈だが「ありがとう」とヒナが言ってくれている様にも見えた。
 
庭に、猫やカラスに食べられないように穴を深く掘り、ヒナを埋めた。
天国へ行く途中に、お腹が空かないように被せた土の上にアワ玉を撒いた。
 
楽しい時間をどうもありがとう
治してあげることは出来なかったけど、天国で何不自由なく羽ばたいてほしい。
 

 

その日、スズメのヒナが救えなかったことが悔しく、パソコンでスズメについて検索してみた。
 
いくつか、サイトを見てわかったことは、アワ玉ではうまくいく確立が低いらしい。
どんなに時間をかけてアワ玉をふやかしたとしても、文鳥と違ってうまく消化できないことが多いようだ。
一番良いのは、メジロのようにすり餌を与えることらしい。
 
もし自分と同じようにヒナを保護した場合、自分の身勝手な知識で失敗しないように、アワ玉でなくすり餌を与えて元気にさせてあげて欲しいと願う。
 

下記、情報としてリンク先を記載します。

各自のご判断の上、ご参考になさってください。

すずめSOS
すずめSOS

▼すずめSOS

http://www.geocities.jp/suzumesos/

すずめっ子クラブ
すずめっ子クラブ
すずめの学校
すずめの学校
公益財団法人 日本野鳥の会
公益財団法人 日本野鳥の会

▼公益財団法人 日本野鳥の会 BIRD FAN

http://www.birdfan.net/about/faq/kega.html

▼教えてgoo 今朝スズメを保護したのですが…

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1392478.html?from=recommend

【記事:2011年7月29日執筆】