仕事と仕事の間に空き時間があったので、東京・浅草にある「アミューズ ミュージアム」に行ってきた。
このミュージアムは、民俗学者である田中忠三郎さんの民族調査で収集したおよそ3万点の衣類や古民具のコレクションの中から選りすぐりの物を展示しているミュージアムである。
2階~3階は、東北・青森の山村、農村、漁村で江戸時代から大切に大切に使われてきた“ぼろ”と呼ばれる衣服や布類を常設展示。
説明によれば、布を継ぎ充てし再生を重ねられてきたボロ着物は、今や「BORO」として世界共通語になるほどアートテキスタイルデザインで評価されており、欧米の染織美術コレクターから買い求められているそうだ。
所狭しと豊富な“BORO”が展示されている。
このミュージアムの良さは、一部を除き、直接作品に触れられること。
そして、フラッシュを使わないことを条件に撮影も許可されている。
展示物に直に触ることで、見ただけでは伝わらない温もりを感じることが出来る。
後日改めて、カメラを持って訪れたい。
珍しい鮭の皮で出来たブーツ。
写真や本で見たことはあるけど、実物を見たのは初めて。
靴底の部分に背ビレがあるが、歩く際にそこから痛んでしまわないのか、無知な自分は考えてしまう。
でも、先人たちの知恵で恐らく靴底の部分には背ビレのある場所が一番という結果になったのだろう。
さすがにコレは、アクリルケースに守られ、触れられない様になっていました。
ここは民具展示。数多くの時計やラジオ、電話機、タンスなどが展示されている。
アンティーク品というのは、展示の仕方でただの古い物になりかねない。
しかし、現代風にPOPに飾られ、より古き物感を醸し出している。
「お手を触れないで下さい」の但し書きが無いので、触れてもいいのかもしれない。
しかし、何とも触れない、触らせないオーラが展示物から出ている。
それは、触れれば壊れてしまいそうな繊細な姿でさえあるのに、人生や歴史の先輩感、また、使っていた個人の物への大切さが染み込んでいて、容易に触れさせてくれないオーラがそうさせていると思う。
このブースは「黒澤明と田中忠三郎の夢の跡」。
壁面いっぱいに黒澤明監督や田中忠三郎さんの写真が飾られ、映画で使用された衣装などが展示されている。
屋上は浅草展望デッキになっている。
目の前には、東京スカイツリーと浅草寺が。
あいにく本日は、曇り空。
晴れて暖かい日に、ここでボーっとするのも良いかもしれない。
■布文化と浮世絵の美術館
「アミューズ ミュージアム」
〒111-0032
東京都台東区浅草2-3-3
※詳しくは下記にてご確認ください。
http://www.amusemuseum.com/